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『PSYCHO-PASS/0 名前のない怪物』感想

   ↑  2014/12/11 (木)  カテゴリー: PSYCHO-PASS
標本事件について詳しくわかったのは楽しかったですが、
人物がアニメで与えられたイメージとちょくちょく一致しませんでした。

佐々山はアニメでほとんど描かれていないので小説の人物像を受け入れられたんですが、
狡噛と藤間ってこんな人だっけ?と引っ掛かりました。

アニメで狡噛さん、佐々山の事をこういってた。
『(佐々山が、女を襲った犯人をぶちのめすのを)監視官だったから一応止めたが、
 内心楽しい奴だと思ってた。
 女好きで凶暴で、実に楽しいクソ野郎だった』

実際、弥生の過去回のとき、狡噛と佐々山の関係は上の言葉通りという風に感じられました。
暴れ馬の佐々山の手綱を狡噛がなんとか握っていて、佐々山の凶暴さにひやひやする面はあるけどいいコンビだなと。
標本事件の後、狡噛の部屋には佐々山とのツーショットが無造作に貼ってあったりと、
よっぽど気が合ったんだなという印象だったんですが、小説ではずっと狡噛がガチで佐々山に振り回されていた。
佐々山へに対する楽しさなんか微塵も感じられなくて、佐々山から言われたことに苛立ち、戸惑い、しゅん…としてた。

小説ではちょうど、佐々山の妹が亡くなった為いつもの佐々山じゃなかったかもしれないけど
佐々山と狡噛の間には一定の距離があって、二人が心の底から分かり合えたのは標本事件の真っ最中だった。
佐々山が死ぬぎりぎりまでこんな距離あったのかよと、意外でした。
監視官生活五年目なのに、何となく幼いまま、いまだ執行官に振り回されてる狡噛…。うーん、印象と違う。


藤間はアニメでは、シビュラシステムの一員になって理解力と判断力が拡張され、神のような気分だと喜んでた。
そして藤間は槙島に、お互い免罪体質だったから「孤立し、迫害されてきた」と語ってた。
狡噛が、佐々山の殺され方について藤間から「苦しいだけが人生」というメッセージを感じたと言っていた。

ゆえに藤間は、免罪体質者だったためにつらく苦しい人生を送ってきた。
そして世界のすべてを自分の支配下に置くことに愉悦を感じる人物、っていうのがアニメから受けた印象でした。

でも小説では、妹と自分だけの『世界』を作る事にしか興味がない。
標本事件についても、自分たちの世界の公開のために必要だった。アルトロマージが生贄になればもう終わるはずだった。
人々を統べる全能感なんか別に求めてなかった。免罪体質であることを悩んだそぶりもなかった。
閉じられた世界で自分の執着する世界さえ無事であれば、世間に害をなすことはなかった。


これらの食い違いがどうにも引っ掛かりました。
そして狡噛が執行官落ちしたこともそうです。
アニメでは
『捜査中、犯罪係数が急激に上昇。
 セラピーによる治療よりも捜査の遂行を優先。
 犯罪係数が規定値よりも逸脱し執行官に降格』
と言われていたので、
佐々山の遺体を見てブチギレ、周囲の静止も聞かずに暴走気味に藤間を捕まえようとしたのかなと思ったんですが、
小説版では、標本事件打ち切りの通達があり、佐々山の葬儀が終わったところで、狡噛は佐々山の遺品整理中。
それが手につかず、佐々山の自室で考え事。
結構落ち着いてて、あれ???
考えるうちに狡噛の心に暗い闇が見え隠れしてたけど、この後『犯罪係数が急激に上昇』するもんなのかな。
アニメで与えられた台詞のイメージと違ってどうもしっくりこなかったです。


この通りもやもやする点はありますが、槙島のピンボケ写真は実は瞳子が撮ったものだったり、
アイドルの標本といっても、アイドルの素性は実は藤間の妹だったりと、事件の内容は興味深かったです。
藤間も、佐々山もちょっと近親の気があったのかなぁ。
佐々山はそうかもしれないけど、
藤間の育てられた世界は特殊だからそういう気があるのか、頭がおかしくなってるのか判断できない。

読んでる間、この事件の後、狡噛は瞳子に話を聞けばいいじゃんと思ったけど、瞳子が薬中にされて不可能と判明。
折角佐々山が守った瞳子なのに、命は助かってもきっと犯罪係数は上昇しているだろうし、
薬物でおかしくなってるしで救いようのないバッドエンドでした。
霜村監視官は目に見える害悪だというのに、標本事件が終わって見事昇進していったってのも後味が悪いですね。

そして小説で描かれるような藤間が免罪体質者なら、
彼らを集めて作られているシビュラシステムはろくでもないと思いました。
槙島のように全ての道理をわきまえていて、世間を見る目が合って、犯罪係数があがらないのならいいかもしれないけど
藤間って…ほんと偏った思考の異常者ですよね。彼の思考がシビュラシステムに必要なんだろうかと疑問に思いました。
そもそも小説の藤間が、世界を統べる全能感に嬉々とすることが想像できないですが。

事件の後味の悪さやバッドエンドなのはサイコパスなので問題ないんですけど、
人物がどうにも私の中で一致しなかったのが残念な点でした。
公式として素直に捉えられないお話でした。

■文庫版書き下ろし・星の数と悲劇の数についての考察■
一係に差し入れのあった有名店のクリームパン。
居残り組がみんな一つずつ食べた所に、捜査から帰ってきた狡噛と宜野座と佐々山、
そのクリームパンが残り一つであることを知った話。

…盛大に滑ってるように感じられました。
クリームパンごとき、狡噛が執着するかぁ??宜野座もそう見えない。コインならまだしも、パンはなぁ…。
おまけの話なんで肩の力を抜いて楽しむべきなんでしょうが、
キャラ崩壊を感じて二次創作かこれはという印象でした。
クリームパンを三等分することについて小難しい考察をくどくどと述べる狡噛…うーん……。
ギャグをやるならちゃんとキャラを維持してほしい。でないと楽しめません。

結局、佐々山が狡噛のくどさに折れて、クリームパン俺がおごってやるぜって三人仲良く肩を並べて買いに行った。
残ったメンツはもう売り切れてるんだけどと思いつつ見送ったという終わり方でした。
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